最後まで読み切るには稚拙で不要なるこの駄ブログ読者の方や、我が身の性格をご存知の皆様は既にご理解済みではあるだろうが、僕は”混沌”という状況を極端に望んだりするときがある。三国志、曹操孟徳という人物の「治世の能臣、乱世の奸雄」にも近いが、スケールが違い過ぎる。
今日が乱世かどうかはさておき、そんな”混沌”という言葉がぴったりな場面が他にもある。それが「大量の子供が集まる場所」だ。たったひとりでも持て余すのに束になって来られた日にゃどうなるのだろうかと戦々恐々ではあったが、心を決めてとあるイベントに両の足を踏み入れた。
FIRST LEGO League Jr.東日本大会。42組の少年少女がLEGO®を使って作品を作り、動かしそしてプレゼンテーションを行なうという過酷な戦いに、我らのパダワン4名が参戦した。単純計算として42組×4名=168名もの子供たちがその場に存在したことになり、天文学的数字に気が遠くなる。
”未来の街を作る”というテーマのもと、チームのテーブルが思い思いの作品で彩られる。僕は各テーブルを廻ってその作品を見て感じて話を聴く。やはりLEGOを駆使する子供たちの能力は素晴らしいものがある。言動もそうだが作品の出来栄えは更に拍車をかける。素晴らしいイベントだ。
「廻ってみてどうでした?」アミーゴに問われた。僕は素直に「どのテーブルも同じような作品に見えるし同じようなテーマが多かったように思える」と答える。我がチーム「Max Rebo Band Tokyo」と比べて動きもあり、現代社会を意識して作られた作品だが、正直言って面白くない。
そう。面白くないのだ。それはまるで、勝つためのサッカーに徹するどこかのクラブのようでもあるのだ。勝てば良いのか、勝ち上がることが全てなのか。テクニックだけが正義なのか。そんなもの面白いはずがないと僕は感じたのだった。それらに比べて我がチームの作品は実に素敵だ。
何と言っても我がチームには「レゴ®シリアスプレイ®認定ファシリテーター」が四名もいるのだ。発想力と想像力、そして何よりメタファーを意識する。自分の内なる声に素直に耳を傾け、ひたすら手を動かし作品を作るというマインドが既にこのパダワンたちには備わっているのだろう。
表彰式を見るまでもなく東京工業大学大岡山キャンパスをあとにした。インタビューの審査員のつれない質問や会場全体の雰囲気を見ても、世界大会への道程は限りなく厳しいものだろう。まあWeDoなどのモーター系も使えていないし、パソコンやタブレットも無い状況だから仕方ない。
しかしながら、”混沌”をこよなく愛する者ならばこの作品を見て心動かされないはずは無い。高度な災害対策、先進の医療機関やシステムよりも、綺麗な川が流れ、光るタワーやスターデストロイヤー、そして甲州街道があまねく存在する作品のほうが少なくとも僕は好きだ。まさにカオスだ。
コメント
コメントを投稿