今回は内容が少しショッキングであることをご容赦いただきたい。今朝発生した我が愛犬クロヱ(黒パグ♀3歳と3ヶ月)による大胆な犯罪行為。これに関わる家族を巻き込んだ騒動について書き記したい。恐れながらこの詳細はノンフィクションであり、登場人(犬)物は全て実在する。
今朝のことだ。6時。いつもより少し遅く起きた僕は用を足すためにトイレへと向かった。足がおぼつかない。何とか玄関横の個室まで辿り着き目的を果たしたのち、僕は水を流し手を洗い、扉を開けて出る。なんてことはない毎朝ルーティーンのごとく行なわれていくだけの簡単な行為。
リビングに戻る。何か物静かだ。カサカサと動き回る音もしないのでこれは布団で寝ているのだろうなと高をくくる。大概の場合は僕の起床に併せて一緒に目覚めるはずなのにおかしいなと思いつつも、まあ良いかと思いながら、これも毎朝の恒例行事でもある散歩の準備を行なっていた。
カサカサという音すらも発生しない。一体何をしているのだろうか。いや、これは違う。あれ一体全体何がどうなったのか、クロヱさんが忽然と姿を消してしまった。寝ている間に神隠しにでも遭ったのだろうか。妻と僕は捜索活動を開始した。必死に「クロヱさん」の名前を連呼してみる。
しかし全く痕跡もなく、いつもならば散歩に行きたくてウズウズしながら飛びかかってくるはずなのに一向に姿を見せないのだ。やはり警察に相談すべきかと正直迷ったが、そんなとき僕は、ある物音を敏感に察知した。再度声をかけてみたところ思わぬところから鼻息が聴こえてきた。
その鼻息はかすかに玄関のほうから聴こえる。付近でもう一度「クロヱさん」と呼ぶ。大音量の鼻息が密閉された空間でくぐもっている。僕はこの異音が流れてくるドアのノブを回し手前に引いてみる。中からブーブー言いながら黒い物体が飛び出してきて、僕は腰を抜かしそうになった。
盲点を突く。「金田一少年の事件簿」で例えるならば、およそ実現不可能なレベルでのドアすり抜けトリック(たしかからくり屋敷かなんかのやつだったと思うがほぼ憶えていないのが実状)。ワンコでありながら、それをリアルに実行したこの黒パグにはお見事としか言いようが無い。
しかしながら、最後の最後で”自力脱出”できないという、オートロックで鍵が掛かってしまい逃げるに逃げられなくなった鈍臭い泥棒のような汚点と呼ぶに相応しい結果を残した。実に「まさに自業自得」という言葉通り。墓穴を掘るとはこのことなのだろうと、僕は心の口角を上げた。
無事発見された後、ようやくオレンジ色のリードを接続し、玄関のドアを開け、いつもの緑道へ向かって僕らは飛び出していく。何となくどんよりとした空模様のなかでの散歩の途中、「あら黒パグちゃん、やけに荒くれているわねェ」マダムにそう声をかけられた。僕は理由を知っている。
NEVER STOP,NEVER GIVE UP
今朝のことだ。6時。いつもより少し遅く起きた僕は用を足すためにトイレへと向かった。足がおぼつかない。何とか玄関横の個室まで辿り着き目的を果たしたのち、僕は水を流し手を洗い、扉を開けて出る。なんてことはない毎朝ルーティーンのごとく行なわれていくだけの簡単な行為。
リビングに戻る。何か物静かだ。カサカサと動き回る音もしないのでこれは布団で寝ているのだろうなと高をくくる。大概の場合は僕の起床に併せて一緒に目覚めるはずなのにおかしいなと思いつつも、まあ良いかと思いながら、これも毎朝の恒例行事でもある散歩の準備を行なっていた。
カサカサという音すらも発生しない。一体何をしているのだろうか。いや、これは違う。あれ一体全体何がどうなったのか、クロヱさんが忽然と姿を消してしまった。寝ている間に神隠しにでも遭ったのだろうか。妻と僕は捜索活動を開始した。必死に「クロヱさん」の名前を連呼してみる。
しかし全く痕跡もなく、いつもならば散歩に行きたくてウズウズしながら飛びかかってくるはずなのに一向に姿を見せないのだ。やはり警察に相談すべきかと正直迷ったが、そんなとき僕は、ある物音を敏感に察知した。再度声をかけてみたところ思わぬところから鼻息が聴こえてきた。
その鼻息はかすかに玄関のほうから聴こえる。付近でもう一度「クロヱさん」と呼ぶ。大音量の鼻息が密閉された空間でくぐもっている。僕はこの異音が流れてくるドアのノブを回し手前に引いてみる。中からブーブー言いながら黒い物体が飛び出してきて、僕は腰を抜かしそうになった。
盲点を突く。「金田一少年の事件簿」で例えるならば、およそ実現不可能なレベルでのドアすり抜けトリック(たしかからくり屋敷かなんかのやつだったと思うがほぼ憶えていないのが実状)。ワンコでありながら、それをリアルに実行したこの黒パグにはお見事としか言いようが無い。
しかしながら、最後の最後で”自力脱出”できないという、オートロックで鍵が掛かってしまい逃げるに逃げられなくなった鈍臭い泥棒のような汚点と呼ぶに相応しい結果を残した。実に「まさに自業自得」という言葉通り。墓穴を掘るとはこのことなのだろうと、僕は心の口角を上げた。
無事発見された後、ようやくオレンジ色のリードを接続し、玄関のドアを開け、いつもの緑道へ向かって僕らは飛び出していく。何となくどんよりとした空模様のなかでの散歩の途中、「あら黒パグちゃん、やけに荒くれているわねェ」マダムにそう声をかけられた。僕は理由を知っている。
NEVER STOP,NEVER GIVE UP
コメント
コメントを投稿