スキップしてメイン コンテンツに移動

「ボコボコ」にされるということ。

セレッソ大阪はシーソーのような成績をひたすら繰り返してここまできた。それはもちろん優勝争いのあとに降格するパターンだけでなく、攻撃的なスタイルのあまり大量得点もあればボコボコにされるシーンも数多く存在した。そこが魅力だといえばそこまでだが、たまったものではない。

Jリーグを目指してJFLを戦っていた1994年。当然のことながら一年での昇格を信じていたのは当時のセレッソ大阪関係者全員の思いだった。この年のJ準加盟クラブは、選手層やプロとしての環境面など他のクラブと比べても一枚も二枚も上手だったが、それでも毎試合がドキドキの連続だった。

単純に昇格だけではなく「優勝をして昇格する」という夢を全員が持っていた。しかもそれは夢ではなく使命でもあるとみんなが考えていたような気がする。終盤に差し掛かるにつれて、プレッシャーやらなんやらでかなり気持ちも張っていた頃に、アウェイでの柏レイソル戦を僕らは迎えた。

全部記憶に残っているかと言われると正直謝るしかない。結果としての2-4というスコア以上に、まさに「ボコボコ」にされた思いだったことだけはしっかり身体と頭が覚えている。Jリーグ昇格もJFL優勝も白紙になってしまいそうな柏からの帰路のどんよりとした気持ちがとても印象的でもある。

そして同時に、Jリーグを目指すクラブのアウェイはこうあるものかと、レイソルサポーターの気迫にすべて持っていかれた気分だったと思い出している。やはり、Jリーグに上がりたい優勝したいと思っているのは、決して自分たちだけではない。分かっていたのに改めて気付かされたのだった。

何かの拍子にこの試合のダイジェストを見た。もうほとんど記録なども残っていないのだろう。当時の柏レイソルにはスーパースターのカレカ、セレッソで関連しているといえば大倉智さんが在籍した。そして極めつけは、この試合でもゴールを決めた大熊裕司さんという顔ぶれだったのだ。

この年の印象というと、優勝したコスモ石油戦や藤枝ブルックスとの延長Vゴールがまっさきに出てくるはずだろう。だが僕の中ではこの試合がセレッソ大阪にとっての「ボコボコ」の原点のように思える。実のところ昇格同期の柏レイソルとは切っても切れない縁のようなものを感じている。

NEVER STOP,NEVER GIVE UP

コメント

このブログの人気の投稿

祝・200試合出場。思い。

 コロナ禍に、コールリーダーの言葉が伝わる環境を作った。それが「#コールリーダーウダウダ」。ひたすら毎週話し続け、今週、その#コールリーダーウダウダの200試合出場を達成した。 年間52週。そう考えれば、4年は続けているということ。今週のコールリーダーウダウダでも話したが、コロナ禍を忘れつつある。いや、忘れてはいけない。決して忘れてはいけないのだ。 だから話し続ける。継続は力。継続は愛。そんなことを思い浮かべてしまう。時代は変わる。でも変わらないのは、人の心、サッカー。そして、なによりも大きいセレッソ大阪への思い。 「#コールリーダーウダウダ」をやっているとよくわかる。セレッソ大阪のコールリーダーは、多くのものが継承されている。実に30年以上に渡って、様々な思いがつながっているのだ。 200という数字は、その思いの積み上げの上に成り立っている。そんな思いを、これからも紡いでいかねばならない。そう強く感じた200回目のハーフタイム。仲間はありがたいと感じた。 NEVER STOP,NEVER GIVE UP

『継続は力なり』とか言うが。

 #コールリーダーウダウダ 200試合出場記念ステッカーが多くの方の手に届いていることを願う日々。大した話でもないけれど、ごくごく小さいことを積み重ねてきた結果なのだとも思う。 セレッソ大阪のコールリーダーは、1993〜1994年から30年以上連綿と続く旅路なわけで、この絆はちょっとやそっとじゃ崩れない。セレッソ大阪は、Jリーグはそうやって成長してきた。 その、言葉では表現しにくい、人間的なつながりを、スペースでは出しているつもりなのだが伝わっていれば嬉しいところ。だからこそ、今、ここにいる意味なども意義もあるのだろう。 ステッカーの画像をSNSでアップしてくれているのを見る。ふと胸が熱くなる。やってきたことや、やり続けてきたことの全てが、正しいものではないことも重々理解をしているつもりだ。 だけどそれらは、決して間違ってもいなかったのだなとも思えて、人間的なつながりに感謝してしまう日々。その輪がここまで大きくなり、そしてここからも更に大きくなっていくはずだ。 だから、続けられるだけ続けよう。昔ある人に言われた言葉。「『継続は力なり』とか言うがあれは嘘や。ほんまは『共に継続する仲間がいることは力なり』なんや」。これ、まさに本質。 ※ステッカーはイバのところにも若干あるので、もし手に入らなかった方は、スタジアムやお店などで見かけたときに声をかけてください。人と人のつながりから何かが始まりますよね。 NEVER STOP,NEVER GIVE UP

今も昔も。

 今日は誕生日である。もうこの歳になると嬉しいとか悲しいとかは感じなくなるものの、やはりお祝いのメッセージを頂いたりすると心が踊る。そして、そのカンバセーションの大半はセレッソ大阪。やはり切っても切れない縁が、サッカーによって大きく広がっていく。 身体はそれほど言うことを聞かなくなってはいるものの、それでも多くのところも顔を出したいと思うし、多くの方とお会いしたいという思いが歳を重ねるごとに強くなっているのは事実だ。それだけ「死」というものと向き合っている証拠とも言えるし、そうでもない。 小樽へ行ってきた。札幌に行く用があり少し足を伸ばしたわけだ。グラウンドに着いた瞬間に我が目を疑った。ものすごい数のセレッソ大阪サポーターがいたのだから当たり前と言えば当たり前だ。勿論ご家族の方が多いとは思うが、こんなにいるとは想像していなかった。 身内以外のサポーターが単独で行けるかというと厳しい面もあるだろうが、その中でもサポートに向かう方々はいる。セレッソ大阪のサポーターの歴史はこのようにして続いていっていることに、誕生日以上に感激してしまう。アカデミーの監督に言われた一言を思い出す。 それだけがすべてじゃないのも真実。だが、綺麗なコレオを作るとか、迫力ある応援ができるとかだけではない、「サポーターとは一体何なのか」を考える機会としてアカデミーと触れ合ってほしいと切に願う。5年後10年後のクラブはきっと彼らが支える。そのサポートを。 今日は誕生日である。プレゼントを求めるよりも、セレッソ大阪に関わる方々のKindleの片隅に「 朝、目覚めたら、そこにセレッソライフが。 」を置いてくださることのほうが本当に嬉しく思える。今も昔も次世代のために手を打っていくのが役目だと、自負だけは心にある。 NEVER STOP,NEVER GIVE UP