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”凄み”や”恐さ”とやら。

僕と平成プロレスとのあいだにはいつも獣神サンダーライガーがいた。ベストバウトを挙げたらキリがないのだが、それでもひとつ選ぶとするならば佐野直喜との名勝負だと僕は思っている。1995年新日本プロレス対UWFインターナショナル全面対抗戦は、まさに圧巻の試合だったと記憶する。

大型化するヘヴィー全盛の時代に、ジュニアの価値を高めたその貢献度は素晴らしいと感じる。それ以上に、ウェイトの差など微塵も感じさせない熱さ。その熱が”凄み”となる。その燃えるような言葉と行動が、僕の魂とシンクロしていく。これがいわゆる”人の心を惹きつける戦い”なのだろう。

そんな獣神サンダーライガーが、澱んだ空気を一変させる”凄み”の技。それが掌底。どれだけ劣勢になったとしても強烈な一撃で流れを自分に引き寄せ、そこからフィニッシュへと結びつけていくのだ。違いはあれど、サッカーの世界で例えて言うならそれは「勝負の縦パス」な気がしている。

U-23日本代表のアジア予選を見ていて非常にもどかしいのは、このライガーの掌底のような「勝負の縦パス」が限りなく少ないからだろうか。実にそれは”凄み”が足りない。そんな彼らに先の全面対抗戦の全試合を見ることをお薦めしたい。プロレスの凄みというか”恐さ”を感じられるはずだ。

全面対抗戦は難しいとしても、澱んだ空気を一変させる必殺技を持った選手たちを呼ぶことはできる。ゴールを決めた選手も試合終了後に話していたが、やはり最後のところは”個”の戦いだ。まだまだ多くの選手にチャンスはある。日本代表としての凄みを見せてくれる選手を見てみたい。

そう言えば文章を書いている途中で思い出したがこの試合(全面対抗戦のほうね)。ライガーのトップロープからのプランチャを間一髪で交わした佐野のトペ・スイシーダ。そして最後の猛虎原爆固め(タイガースープレックスホールド)も、見ている者全てに向けての強烈な”凄み”だったな。

※それにしても獣神サンダーライガーさん、お疲れ様でした。
※そして、後を追うように現役引退した佐野直喜さんにも。

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