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「今日は時間が無かったため長い文章になってしまった」。

もともと人とのタッチポイントが少なく、何もすることがない休みの日は引きこもるほうでもあったので、コロナ禍もこれまでの生活もあまり変わらないのが本音だ。ワンコの存在のおかげで歩く距離もほぼ同等であるし、体重もまったく増えていない。ただ、本を読む量だけは確かに増えたなと感じる。

最近何かと本とのご縁がある。もろんF.C.OITO(が本屋でもあることを知っている方は素晴らしい)は言わずもがな、数多くの良質な書籍を手に取っている毎日だ。当然のことながら薦められた本がまったく手に入らず途方に暮れるケースもなくはないが、ぼーっとしたときに開くページの余韻が素敵だ。

そのなかのひとつに「具体と抽象」という本がある。タイトルからしても見た目非常に分かりやすい二項対立の骨頂なのだが、如何にも難しそうな気もしなくもない。しかしながら内容はというと至ってシンプルかつ重厚。「一秒漫画」なども駆使したうえで進んでいく。非常に面白く読ませていただいた。

「なんか良い感じに、チャチャっとやっといてください!」と言う営業と「良い感じってどんな感じなんですか?そして、チャチャっという単位が意味が分からない」と言うエンジニアの対立。まあ今に始まったわけでもない。このような事例なども理解しやすく解説してくれていて非常に重宝している。

レイヤーが合っていないのだ。まるでパラレルワールドにいるかのように求めているものへの尺度が決定的に違っているのが見て取れる。そんな身の回りやどこにでもあるような些細な対立について、この本は実に細かくそのうえで読みやすくなっている。正しい道の探し方を教えてくれている気がした。

具体的であるに越したことはない。とは言え抽象化する力は現代においては重要なファクターでもあると僕は思う。マクロとミクロ。社長の言葉と社員の想い。具体性を持った指示と抽象的で考えさせるような問い。どちらも重要でどちらも欠かせない。向き不向きもあるし置かれた環境にも左右される。

どこまで行っても平行線の議論はこの世に多く存在している。僕も使い分けているつもりでもあるが、完全に吸収するのには正直無理があるのだろう。だから少しでもその域に近づけるようにと僕は本を読む。良い本に出会うと人に薦めたくなる。「今日は時間が無かったため長い文章になってしまった」。

NEVER STOP,NEVER GIVE UP

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黒パグ、「一粒万倍日と天赦日が重なる日」に、病院へ行く。

一ヶ月前に狂犬病注射とフィラリアの薬をもらいに通院した際、その帰りしなに先生から「来月、混合ワクチンを打ちに来て」と言われた。なので、この土曜日に黒パグを連れて病院に行ってきたのだが、そこで起こったことを書いてみる。 雨が振りそうな天気でもあり、どのワンコも早めに連れて行こうかなとなったのか、病院は思いのほか混んでいて密だった(とは言え3人しか入れない)。しばらくして僕らの番が回ってきたので、黒パグと僕はドアを開けて診察室に入った。 「変わりはない?」「あー、ちょっと時々お腹周りを布団でスリスリすることがあります」「じゃあ診察してみよう」ということで色々と診てもらった。黒パグの全体を見てもらったのちに先生が「うん、これは外耳炎」。え?耳ですか? 思いも寄らない回答だったので一瞬面食らった。先生は薬と綿棒(みたいなやつ)で耳の治療を始めた。黒パグと目が合ったので軽く覗き込んでみたら、「顔を見ない!」と先生から一喝された。治療中にワンコが集中できないからだそうだ。 良かれと思ったら叱られた。気を取り直して見ないようにしていたら、今度は黒パグに猿ぐつわが装着されていく。目と口をカバーするようにセットされたこのワンコはついに暴れることを諦めてしまった。大人しく治療を受け入れ始めた。 そしてようやく耳の治療が終わり、混合ワクチンの注射が終了して帰ろうかと思った瞬間、思いがけない一言を先生から聞かされた。「カビですね」。どういうこと・・・。要はこの時期、お風呂に入ったあとのケアが必要だということだ。 ツイてない日だったのかもしれないと心が叫びたがっていたが、未だ病院は密でもあったので止めておいた。少々想定外の出来事ばかりが起こったので、今日は厄日かよ、と思ってしまう。僕らはかゆみ止めなどの薬をもらって家路に着いた。 いやいや、待てよ。まったくもって厄日なんかじゃない。そうだ。今日は「一粒万倍日と天赦日が重なる日」だった、と宝くじ売り場を見て思い出した。まじまじと宝くじ売り場を見てみる。TOTOやBIGを見て、改めてサッカーの再開を喜んだ。 宝くじでも買ってみるか。「ドリームジャンボ20枚お願いします!」。店員さんが首をかしげている。「ドリームジャンボは終わったよ」。暑さで舌を大きく出しっぱなしの黒パグがこちらを見ていた。まるでニヤニヤ笑っているようだった。 NEVER STOP

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